審 査 講 評

審査を振り返って
審査委員長 堀尾房造
(九州共立大学・副学長)

 今年度、全国から推薦のあった事例数は、酪農17、肉用牛12、合わせて大家畜部門で29事例、中小家畜部門は、養豚4、採卵鶏3の合わせて7事例、合計36事例である。やや大家畜部門に偏った推薦の状況になっている。

 各県畜産会から推薦された事例の調書について、私ども審査委員会のメンバー七名が二回にわたって審査会を開き検討した。第1回の審査委員会は8月23日、ここで36事例について、部門ごとに慎重に審査調書の中身の検討をし、最終的に審査員7名による投票によって上位8事例、それぞれの部門から4事例を選考した。

 この上位8事例のうち5事例について現地に行き、調書でじゅうぶんに確認できない点、あるいは特に昨年の環境三法の施行以降、問題になっているふん尿処理の状況がどうなっているかを現地で確認し、その現地審査の結果を持ち寄り、9月29日、第2回の審査委員会を開き、再度検討を行い、以下のとおり最優秀賞、優秀賞を決定した。

 はじめに、大家畜部門最優秀賞は、「循環型酪農をめざして」というテーマで発表された、千葉県館山市の川名正幸さん。次に、中小家畜部門最優秀賞は、「衛生管理と生産性向上を追及する環境保全型養鶏」というテーマで発表された、石川県押水町の北栄産業(有)の市村栄宗さんに決定し、農林水産大臣賞が授与される。残り大家畜部門の3件、中小家畜部門の3件は優秀賞ということで、畜産局長賞が授与されることに決定した。

 審査の基準は既に関係者の手元の資料のとおり、経営の収益性、安定性、持続性、あるいは発展性、技術の創意工夫等々について調書を通じて審査した。加えて、昨年度からふん尿処理関係については厳しい検討をし、最優秀賞をそれぞれ一点ずつ、2点選んだ。

 以下、審査委員会で問題になった点等を含めて講評をしたい。

○受賞者名をクリックすると、それぞれの審査講評がご覧いただけます。

  

大家畜部門
中小家畜部門
農林水産大臣賞
(中央畜産会長賞・最優秀賞)

千葉県 川名正幸

石川県 北栄産業(有)

畜産局長賞
(中央畜産会長賞・優秀賞)

静岡県 峯野 孝
佐賀県 渕上吉隆
宮崎県 黒木輝也

栃木県 (有)三田鶏園
新潟県 生越利男
岡山県 (有)協和養豚

(*本稿は、発表会の審査講評の要旨を畜産コンサルタント誌編集部がまとめたものです)