大家畜部門 優秀賞・畜産局長賞

F1肥育で高品質牛肉生産
がもたらす高所得・安定経営

佐賀県江北町 渕上吉隆さん(肉用牛部門)

 渕上さんの経営は、平成11年はF1中心で若干黒毛の肥育を取り入れていたが、平成12年からはすべてF1の肥育に転換している。

 昭和43年から、和牛の肥育をスタートしているが、平成2年に現在の中心であるF1の導入を行い、幾多の変遷を経ながら、平成6年度の畜産会の指導によってF1主体の肥育に切りかえている。

 渕上さんの経営の特徴は、肥育経営で問題になる敷料、稲ワラの調達の件だが、これが全く心配ないことだ。水田地帯にあるということで、たい肥と交換で20〜25町歩の稲ワラを無償で調達し、地の利を非常にうまく生かしている。しかも、肥育成績は四等級以上が51%、三等級以上に下げてみると89%の成績を残している。これによって年間の総所得が2386万円、一頭当りの所得でも23万円という高い成績を残している。

 渕上さんも後継者の参入を前提に、自己資本の増強対策を含めて家族会議で将来の生き方を検討している。将来の規模は、現在の220頭規模から250頭規模程度に増頭して、コスト削減、上物率の向上によって所得の更なる確保を図りたいという立派な経営だ。