大家畜部門 優秀賞・畜産局長賞

"計り"と"パソコン"により、
飛躍した肥育経営

宮崎県西都市 黒木輝也さん(肉用牛部門)

 黒木さんの経営も、きょう発表で強調されていたが、資金繰りと技術のまずさというか、それによって非常に経営が苦しくなって畜産特別資金の借入れをせざるを得ないところまで追い込まれ、黒木さんも畜産会のコンサルを受けて、飼料給与の改善、あるいはパソコンを活用した個体別の肥育成績の検討を行うことで、短期間に現在のすばらしい経営までもってきた事例である。

 特徴の幾つかをみると、肥育前期の粗飼料不足の指摘を受けて、これを改善するためにカッティングした稲ワラを毎日1袋・5kgずつ入れて、これを給与する。あるいは、畜舎内の改善にもいろいろな小さな工夫をやっている。ウオーターカップから水槽に切換えるとか、乾燥、換気に気をつける。あるいは、ビタミン投与等の技術を忠実に行っている。

 それから、皆さんパソコンを利用しているが、中でも黒木さんは平成5年から地域のJA西都パソコン情報クラブに加入し、ここでの学習を基本に肥育の管理ソフトを業者と開発している。この開発したソフトを使い、いろいろな分析をし、将来に向けての収支のシミュレーションをやるなど前向きなパソコン活用をしている。これは非常に評価していいのではないかと思う。

 また、畜産特別資金を借入れるというところまで追込まれた反省もあり、現在は経営成果としてでてきた経済余剰をモト牛導入資金の方に充当し、平成6年当時、自己資本率27%だったものが、平成11年には51%まで引上げている。経営改善の成果として、所得率で16.5%という成績である。枝肉でみると、四等級以上が82%というすばらしい成績を残している。