中小家畜部門 優秀賞・畜産局長賞

地域との連携による養豚繁殖
肥育一貫経営の安定化

岡山県奈義町 (有)協和養豚
黒籔光廣さん(養豚部門)

 黒籔さんは、いわば岡山県の養豚業界の指導者として、これまで活躍されている。法人化も54年という非常に早い段階にしている。

 黒籔さんは地域の養豚振興にどのように活躍してきたかということを幾つかみてみると、地域の小規模繁殖豚農家の底上げをするために、市場を通さずに黒籔さんが地域の小規模農家から独自の直接取引によって子豚を買うことで、繁殖豚農家の活性化をしている。また、現在、岡山県では、「おかやま黒豚」を振興の柱にしているが、この中で岡山黒豚銘柄確立の中心的な人物として、みずからも既に50頭を飼育して、ゆくゆくは頭数を更に増やしていきたいということである。

 それから、地域の住民なり、あるいは消費者に親しまれる養豚場ということで、「風の村」という触合い広場を設けている。ここでいろいろなイベントをやったり、豚の加工品を提供している。環境保全についても、みずからが音頭をとって設立した奈義有機センターで全てたい肥化して販売している。

 黒籔さんの経営の中身をみると、現在は繁殖豚220頭、常時肥育豚が3,200頭であるが、これを家族労働力2人と社員6人の常雇で経営をしている。平成11年度の成績は、所得は1,000万円を割っている。これだけの規模で、若干不本意なところが黒籔さんにはあると思うが、現在、長男に経営の移譲をする過程にある。それから、「風の村」の経費等がかさんで所得の落ち込みにつながった。ただし、平成九年までの実績では、4,000万円以上の高所得を実績として残している。

 黒籔さんの場合も、昭和46年に大阪からUターンして帰ってきて、繁殖豚10頭から徐々に長い期間かけて増やしているので、これだけの規模にもかかわらず、借入金が1,500万円という非常に安定した経営を行っている。

 以上、皆さんもお聞きのように、8人の方々、すばらしい経営の成果をあげられている。私ども審査員も大変勉強させていただいた。審査委員会としても、今後の皆さんのより一層のご活躍と発展を誓って審査講評としたい。