中小家畜部門 優秀賞・畜産局長賞

嘘のないおいしい卵を生産
栃木県足利市 (有)三田鶏園
三田悌二さん(養鶏部門)

 三田さんはすべて直売方式で販売している。売れるだけの卵を生産するということをモットーに、本日、三田さんは余り委託生産の話をされなかったが、自分のところでは平均8,000羽を飼養して、隣接する群馬県の太田市に10,000羽を委託している。この委託料だが、卵1kg当り63円ということで、委託料だけでも年間1,300万円強を支払っている。この自宅での採卵鶏と委託で、合わせて18,000羽の飼養羽数である。

 三田さんも平成7年に法人化しており、夫婦の労力を基本に自宅で8,000羽を飼養して、これの飼育、集卵、販売にパートさん5人の手助けを受けている。全量「パワードエッグ力丸くん」というブランド名で直売をして、直売歴だけでも18年になるということである。 販売価格が1kg当り570円という、極めて高い卵価で取引をしている。ちなみに、生産原価をみると305円。先ほどの市村さんと比較して、鶏種その他、飼育の仕方が違うが、市村さんの場合、販売卵価が1kg当り平均180円、それに対して三田さんは570円。生産原価は、北栄産業(有)が104円に対して、三田さんは305円という結果になっている。その結果、小規模経営ながら、借入金はわずか500万円程度で非常に自己資本率が高い。

 経営成果は、北栄産業(有)とは羽数の関係で大きな開きはあるが、年間所得が5,900万円、所得率に至っては30%と、北栄産業(有)の20%に比べて格段に効率のいい経営を行っている。