中小家畜部門 優秀賞・畜産局長賞

夫婦で築く低コスト養豚経営
新潟県十日町 生越利男さん(養豚部門)

 生越さんの経営は、新潟の中でも名うての豪雪地帯にある。皆さんご存じのようにコシヒカリの産地で、ここで現在、夫婦2人で75頭の種雌豚を中心に一貫経営を行っている。発表にあったように、高校卒業後、わずか繁殖豚5頭の経営からスタートして、段階的に規模を拡大して今日の経営に至っている。その間、昭和49年に宅地内養豚から現在の位置に畜舎を移転している。

 生越さんの特徴を幾つかみると、養豚の基本技術を非常に忠実に守って経営をしている。新技術の導入に当っては、その効果を見極めながら慎重に導入する。あるいは、畜舎施設についても、2階建て豚舎のスライドが出ていたと思うが、地域の豪雪地帯というような状況を考慮して豚舎を建設している。しかも、これをうまく省力システムとして生かしている。そして、段階的に規模を拡大した関係で、自己資本率が非常に高く、経営が安定している。

 生越さんも、奥さんが経理の仕事をしていたということで、奥さんが中心に記録をしっかりつけて、分析によって経営管理や投資についての採算性の検討をしている。それが今日の高収益、低コスト生産に生かされている。ふん尿処理も、スライドにあったように万全である。経営成果としては、年間所得1,587万円、種雌豚一頭当りで20万3,000円、所得率27%という高成績を残している。

 生越さんも、平成10年から長男が農業大学校を卒業し就農している。現在の75頭の一貫経営から、将来は150頭まで頭数を増やす計画をもっている。