浜中町の酪農家戸数は、平成20年時点で196戸に減少し、25年は185戸にまで減少すると予測される。新規参入等による経営継承を行い担い手への農地集積が進まないと余剰牧草が発生するなど、管内の酪農基盤の維持ができない事態に至っていた。乳牛の基盤も平成5年の2万3,000頭をピークに、20年は2万1,600頭にまで減少。JA浜中では、労働力不足、経営環境の悪化、F1授精の普及などによる育成牛の減少で、組合員からの預託牛頭数の増加は望めないと判断し、2つの育成牧場を統合する。併せて跡地に酪農・乳業関連企業9社の出資と農協出資による大規模法人牧場㈱酪農王国を設立した。JAが核となり、地域の畜産関連企業を巻き込んだ大規模法人の存在は、地域の家族経営の継続が困難な場合に有効であり、また、経営者、技術者など多様な人材能力を生かすことができる。さらには高いレベルの技術と経営感覚を身につけた人材が地域に供給され、地域の畜産基盤強化になることが期待される。