古川さんは、平成2年の雲仙普賢岳噴火災害で被災し、平成4年9月、葉タバコ経営から降灰の影響を受けない肉用牛肥育経営に転換。家電メーカーの契約社員で働くかたわら、褐毛和種雌牛1頭の肥育から再スタートした。1頭を販売しては2頭の子牛を導入する増頭スタイルを貫き、また、褐毛和種雌牛→褐毛和種去勢牛→黒毛和種雌牛→黒毛和種去勢牛と着実に自己資金を蓄え、より付加価値の高い販売物へと計画的にシフトしてきた。現在の古川さんは、黒毛和種去勢牛200頭を飼養する負債ゼロの極めて健全な経営を実践。特に肉質面で高位安定した成績を収めているが、高い技術力の習得は、同業者との情報交換や視察研修を積極的に行うとともに自ら培った人脈によるところが大きい。早くから飼料の自家配合に取り組み、大幅なコスト低減を実現。平成24年10月開催の長崎和牛全共でも名誉賞に輝くなど、後継者や仲間とともに地域振興に向けた活動を展開している。