北阪たまごの北坂誠代表
 ㈱北坂たまごは阪神・淡路大震災の震源地、旧北淡町にある。純国産鶏(さくら・もみじ)を飼養し、年間成鶏平均飼養羽数12万羽の中規模養鶏経営である。生産部門のほか、GP センターと加工・販売部門を持っており、生産部門は個人経営の北坂養鶏場、加工・販売部門は㈱北坂たまごと経営を分離している。経営主が特に力を入れているのが「ブランディング」である。展示会にも積極的に出展し、プリンやケーキの加工品を通じて卵そのものの本質を伝える努力を惜しまない。また、養鶏場から少し離れた敷地に平飼い小屋を設置して、子どもたちを対象に食育スペースとして活用している。さらに島内の販売拡大を目的に「いろとりどり新聞」を発行し、自社の卵をあじわえる飲食店や自社のイベント情報を掲載するほか、関連する島内の店主や職人などを紹介し、島を盛り上げている。飼料に地元産の魚のアラや米ぬかを加え、高品質な堆肥を地元のホームセンターで安価で販売するなど、島とともに歩む養鶏業を展開している。