和牛のルーツといわれる「千屋牛」は新見市内で一貫生産または県内で生産された子牛を18ヵ月以上肥育することが条件である。㈲哲多和牛牧場は平成13年9月に設立。現在、成雌牛約280頭の和牛一貫経営であるとともに、地域の繁殖農家から子牛を導入し、地域内一貫生産を支える牧場として機能している。新見市では、平成14〜16年度と平成18〜20年度にかけて、草地林地一体的利用総合整備事業を活用し、市内に草地や飼養施設等を大規模に整備した。対象となった哲多和牛牧場では、第1農場に肥育牛舎2棟、育成牛舎、哺育牛舎及び堆肥舎を新設するとともに、平成20年度に畜舎に太陽光発電システムを導入している。この結果、使用電力の2割程度が抑制でき、再生可能エネルギーの畜産利用のモデルケースとなっている。そのほか、稲WCSや稲わらサイレージなどの地産飼料の活用も推進し、地域内一貫生産体制を強化し、安心・安全で高品質な「千屋牛」の生産拡大を図る全体目的に加え、同システムによる新たな形での社会的貢献を担っている。