平成15年8月に北海道日高地方を襲った台風10号により、佐々木茂さん(酪農経営)の農場前の川が氾濫し、牛舎等の施設に濁水が流入。農場に続く道路の決壊、停電、断水もあったが、近隣農家や地域の支援により速やかな復旧を果たした。牛舎に約50cm堆積した土砂は、支援者約20人が毎日、除去作業を行い、発生から5日目には全部の牛を牛舎に入れることができた。ミルカーは無事だったが、停電したので発電機を持ってきて搾乳した。しかし、集乳車が入れないので、生乳はラグーンに溜めて川に放流。農場に続く道路の崩落で飼料供給がストップし、通常に戻るまでに約1ヵ月を要した。断水対応は発生から4日後には井戸を掘ってポンプで地下水を汲んで与えた。それまでは牛が川に下りていって水を飲んでいた。町では避難場所となった集会場に衛星電話と発電機をセットで備え、連絡体制を整備した。