水際検疫を担う
やりがいある仕事
海外から家畜の病気を持ち込ませないために、また、日本から海外に病気を持ち出さないために、全国の主要な国際空港や貿易港には動物検疫所が設置されています。家畜防疫官の石倉莉奈さんが勤務するのは、羽田空港の動物検疫所。動物検疫カウンターでの旅客の手荷物検査や、犬や猫などペットの輸出入についての問い合わせ対応、ペットの輸出入に必要な書類の確認や輸出入検疫証明書の発行が主な仕事です。
「手荷物検査では、多様な国籍の方々とやりとりするので、日本語も英語も通じない場合は、翻訳機を活用しつつ、ジェスチャーを交えてコミュニケーションを取るようにしています。ペットの輸出入に関するメール対応では、どうしたら分かりやすい文章になるのか、常に頭を悩ませています」と石倉さん。伝えることの難しさを感じながらも、自分なりの工夫を凝らしています。
外国から輸入される動物や畜産物を介して家畜伝染病が侵入してしまったら、日本の畜産業は大きな打撃を受けます。その逆も同様で、諸外国へ家畜伝染病を拡げる恐れのないものを輸出することにより、国際的な家畜衛生の向上にも貢献しています。「水際検疫を担うのが、我々の役割です。使命感を持って職務に当たっています」と、この仕事のやりがいを語ります。