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卵からかえったばかりの鶏の雛には雌雄の差がなく、鳴き声や見た目に性別の差が出るまで約1ヶ月かかります。そこまで育てると餌や施設運営に莫大な費用がかかるため、できるだけ早く見極めることが重要です。そこで活躍するのが、雛の性別を判定する「初生雛鑑別師」です。鑑別方法には、羽毛の色で見分けるカラー鑑別、羽の長さで見分ける羽鑑別、肛門の内側にある生殖突起を見分ける肛門鑑別があります。資格が必要なのは肛門鑑別ですが、この方法は日本で発見され、世界各地で日本人の初生雛鑑別師が活躍しています。
初生高等鑑別師
雛の鑑別は大正時代に発見された日本の伝統技術であり、養鶏業を支える重要な仕事です。特に日本人の初生雛鑑別師による鑑別率は99.5%以上の正確さを誇り、世界中に需要がありますが、その精度をさらに磨くため、鑑別師たちは日々の研鑽と努力を怠りません。働き方は様々で、雛鑑別専業で活躍される人もいれば、他の仕事と兼業で働く人もいて、技術さえ身につければ、好きな場所で自由に働くことができるのも、魅力のひとつです。海外で働きたいという人にもおすすめです。
公益社団法人畜産技術協会の初生雛鑑別師養成講習を受けることが必要です。初等科を修了した後は、鑑別研修生として1〜2年、孵化(ふか)場で鑑別の研修を重ね、高等考査にパスして初めて、資格を得ることができます。
初生雛鑑別師になる養成所に入所しても、実際に働くことができるのは約1割しかいない狭き門です。雌雄を見分けるだけの単純作業に見えますが、鑑別率9割以上とされる中で、残りの1割をゼロに近づけるために、精度とスピードを極めていく面白さと奥深さがあります。近代化の波が押し寄せる中、機械を超越した人間特有の繊細な感覚が求められる場面も多く、感覚を研ぎ澄ませて答えを導き出す瞬間は何ものにも変えがたいものです。世界をまたにかけて活躍できる仕事であり、手に職をつけることは大きな自信につながります。
養鶏ではその経営によって雌ばかりが必要な採卵鶏経営や雌雄の成長差によって区別して飼育する必要のあるブロイラー経営などがあります。その為雛のうちから雌雄を区別する仕事があります。それが初生雛鑑別師の仕事です。今回の映像ではこの初生雛鑑別師の仕事を紹介します。
※動画は「畜産映像情報 がんばる!畜産!」にて公開されている動画です。その他動画はコチラからご覧ください。