農家から信頼される
営業でありたい
家畜改良という仕事があるのをご存知ですか。それは、優良な種雄牛の精液や受精卵を利用して、遺伝子的に子牛の能力を高めること。つまり、繁殖によって肉質や乳量を向上させることを狙いとしています。こうした家畜改良の促進を担っているのが、全国に拠点を持つ家畜改良事業団。優良遺伝子の生産と供給、改良・繁殖技術の研究開発などを通して、日本の畜産を支えています。前橋種雄牛センターの杉本優香さんは、凍結精液と受精卵などを畜産農家に配布する営業職。長野県と山梨県を担当し、月の半分以上は各地の農協や農家のもとへ出向いています。「動物が好きでこの仕事に就いたのですが、お付き合いするのは農家の方々。まずは、自分を信頼していただけるように関係づくりを一番大事にしています」と、杉本さん。扱っている製品もすぐ結果が出るものではなく、牛の出産と成長を経て初めてわかるもの。納品した後も農家の人とこまめに連絡を取るなど、フォローすることが大切だと言います。「前に担当していた農家さんから、いい牛が生まれたよとか、高く売れたよ、と電話をもらうこともあり、お役に立てて良かったと嬉しくなりますね」。