福島県泉崎村で母豚300頭規模の一貫経営を行い、自ら生産した豚肉を加工して直売所「ノーベル」で販売している。震災で分娩舎や繁殖豚舎など5棟が全壊。母豚も100頭ほど淘汰した。約1億円を投資し、これを機に老朽化した豚舎を増改築して、現在は震災前よりも母豚を増やし、スリーセブン方式(繁殖豚をグループ化して3週間分まとめて人工授精するシステム)を採用して、省力化と生産効率の向上を図っている。新しい豚舎ができるまでは母豚を肥育豚舎に移し、建設用単管パイプで繁殖豚用のストールを手作りし、母豚にストレスのかからないような環境をつくった。代表は福島県養豚協会会長も務めており、自らの被害状況と復興プロセスを、研修会等を通じて伝えることで同じく被災した仲間を励まし、ともに復興へ歩んでいる点も特筆すべき点である。さらに仮設住宅などへの炊き出しにも積極的に参加し、被災地域の活性化に向けた活動も展開している。