藤岡数雄、美江子夫妻は和牛の子牛生産を行ってきたが、家族内協業という新しい形態で息子3人を後継者として育成し、経営継承を円滑に進めつつある。現在の経営規模は、成雌牛約220頭。数雄さんと長男真澄さんで100頭、次男悦郎さんが70頭、三男勇作さんが50頭と分離して責任を負わせている。家族内協業経営として真澄さんは全体の総括と導入・廃牛、悦郎氏が飼料作・人工授精、勇作さんが哺育・清掃・去勢などを担当。経営の特徴は、飼養管理技術の高度化による省力、低コスト生産の実現である。分娩間隔は12ヵ月以内を実現しており、低コスト生産の源になっている。飼料畑は26haを確保し、団地化を図り、地域で生じる焼酎粕なども飼料として活用している。1日1回給与による昼間分娩や早期離乳などの技術、哺乳ロボットなども導入済み。また、協業体制を生かして、家族間で休日取得の調整も行っている。省力・低コスト・ゆとりある経営を目で見える形で実行してきた経営であり、このことが3家族もの就農を実現に導いた。