久美子さんは博多の非農家出身で、結婚してから普段の何気ない出来事をブログで語ってきた。登場するのは、母牛、子牛、飼い犬、主人、時々遊びにくる主人の甥っ子。まれに獣医が出てきて、診療や授精の様子を自らの視点で綴っていた。そんなブログをみて、田舎での牛飼いの日常に触れた人間も少なくない。平成22年5月22日、口蹄疫の被害拡大を防ぐために、全国で初めてのワクチン接種が始まる。この農場も対象農家となり、ワクチン接種後、産まれたばかりの子牛を含めて全頭殺処分となる。接種が西都市に迫る模様、その中で葛藤する気持ちをブログで描写。それを見た全国の多くの人からたくさんの応援メッセージが届く。地域の仲間、ブログでつながった応援者に支えられ、牛がいなくなった寂しさを乗り越え、再起を決意する。現在、経営主の伸一さんは、牛白血病の清浄地域づくりを目指して仲間とともに頑張っている。自身も導入牛を全頭検査している。