㈱フリーデンは3ヵ所の原種農場、7ヵ所の肥育農場で年間27万頭の肉豚を出荷する大規模養豚経営である。東日本大震災では、一関種豚センター(岩手県)第2農場8棟のうち5棟が使用不可能の状態となり、液状化も起こり、5,000頭の種豚が飼えない状態になった。そのため5月には群馬の大平牧場と岩手の大東農場に子豚を移動させ、種豚を飼養。平成24年11月にようやく種豚センターが復旧したが、復旧費用は5億円かかった。都路農場(福島県)は原発から25キロ圏内で、3月15日に田村市が避難地域に指定。本社に災害本部を設置。6,600頭のSPF豚全豚を残して全員避難し5月末に各農場から延べ250人を動員して生存していた豚を2日半で全頭処分した。豊浦獣医科クリニック指導のもと農場から500mの埋却地に埋めた。このときに役に立ったのが口蹄疫発生時の処分マニュアル。都路農場は現在閉鎖中だが、早期の復興を望む田村市からの要請があり、除染が終了次第安全性確認のためのモニタリング飼養試験をはじめる予定。また、市と共同出資の「ハム工房都路」を復興の証として平成25年3月にオープンしたいとしている。