社長夫人の降矢セツ子取締役が呼ぶと放牧豚が集まってくる
㈲降矢農園は「耕作放棄地の解消」「農場残さの循環」「農業の6次産業化」を目指して、肉豚の放牧に取り組んでいる。同農園は阿武隈山地の一角、福島県郡山市の山間地で約30年にわたりカイワレ大根、トウミョウなどの水耕栽培を行ってきた。平成21年10月、地域耕作放棄地の解消と耕種部門から発生する野菜残さの有効利用を目的に放牧豚の飼養(24頭)を開始。しかし、翌年の口蹄疫の国内発生により出荷のタイミングを失う。翌年8月にも30頭を導入したが、原発事故の影響で同様の結果に。最初の導入から2年経った平成24年10月にようやくと畜。「私たちの思いを伝えるには加工しかない」として、㈲伊豆沼農産と㈱福相食品工業に委託加工、新たなブランド名「再生里山豚」で豚肉加工品のテスト販売を開始している。今後は定期的に子豚を導入し、年間出荷100頭規模を目指す。新たな取り組みプラス農商工連携による被災地域の再生を目指す。
今後の飼料用米の活用に備えて購入したペレット加工機
放牧豚(阿武隈山地が衝立になるため、放射能値は都心より低い)
放牧地の周囲は、ソーラー電気牧柵が張り巡らされている
トウミョウの根の部分を給与している
24年11月に導入された80日齢の子豚。1ヵ月間放牧馴致させるという。
サンチェの水耕栽培
「再生里山豚」ブランドのポスター
ロースハム
ウインナー