50haの牧草地を有する直営のブリーデング白老牧場
全道でも有数の黒毛和種の素牛生産地の白老町で地域の繁殖雌牛の“飼い直し(再肥育)”を行って牛肉としての価値を向上させる実験に取り組んでいるのが阿部牛肉加工㈱である。直営牧場で北海道大学との共同研究により牛肉の成分分析を行いながら、経産牛の飼い直しの飼養管理技術を確立するとともに、これを地域の繁殖経営に普及させ、付加価値向上に寄与していくのが狙い。肥育試験は3年前から開始。約10産の経産牛を導入、肥育後期用配合飼料と飼料用米やビール酵母などを給与し、肉質改善、脂肪付着を促し、6ヵ月で仕上げるという方式である。この飼い直しにより、廃用牛として出荷する場合の約5倍の経済評価となる。消費者へのアンケート調査では黒毛肥育牛に遜色のない評価を得ており、今後、実験を重ね、ノウハウを蓄積してシステム化した上で、地域の繁殖農家に提案していく計画だ。繁殖経営で必ず発生する廃用経産牛の価値向上につながる普及性のある取り組みといえる。
肥育牛舎内
肥育試験中の経産牛。現在、成雌牛は常時30頭を飼い直し肥育している
地域農家から購入した稲わら
北海道畜産公社早来工場でと畜後、枝肉で搬入し、部分肉に加工している
6ヵ月間、再肥育した経産牛のリブロース
アグリフードEXPO2012に出展し白老牛をPR