経営主と妻と次世代を担うたくましい孫
 ㈲大野農場は、独自ブランド「小江戸黒豚」の生産、加工、販売の3部門からなる。生産部門は当初、仲間とともに肥育用素豚を主に生産していたが、昭和60年に一貫生産に切り替える。現在は黒豚雌豚100頭規模。年間約1,200頭の小江戸黒豚を出荷している。地元特産のさつまいも、食品工場からの余剰パン、牛乳などを自家配合した食品残さを給餌していることも特徴。加工部門を取り組むに当たっては、肉の基礎技術の習得のために、長女を全国食肉学校で勉強させた。卒業後は、国内外のハム製造所で修行を重ね、自分なりの味、技術を確立した。売り場併設の「ミオ・カザロ」では、自家農場産の小江戸黒豚100%を使用し、増量剤、合成保存料などを添加せずに食肉加工品を製造。販売部門は本店を含め川越市内2店舗で地域の消費者に提供している。店舗隣にバーベキューハウスなどを設置し、平素から地域とのつながりを友好的に維持しており、地域資源の飼料利用と併せて地元重視型の6次産業化の取り組みである。