藤原牧場は口蹄疫発生前は飼養頭数1,474頭(乳用種305、交雑種996、和牛173)、牧草地4ha、労働力は経営主、長男、従業員4人であった。現在は、飼養頭数870頭(乳用種238頭、交雑種413頭、和牛219頭)、牧草地13ha、労働力は経営主、息子、娘、従業員3人となっている。飼養頭数は口蹄疫前の規模に戻りつつあり、牧草地については3倍以上に拡大している。これは輸入飼料のような価格変動のリスクがないこと、牧草をサイレージ化することにより消化が良くなるためである。また、再生・復興期に自社牧場で精肉加工し、移動販売車を利用してイベントで小売を行う6次化の取り組みも実践している。口蹄疫により全頭殺処分という非常に苦しく悲しい経験をしたが、共同埋却場や共同肥育場の利用、市場再開後すぐの子牛導入、従業員の迅速な再雇用等、再生に向けた準備を周到かつ有意義に進めたことが早期の復興につながった。