父の代ではブロイラー経営だったが、その後酪農経営(搾乳牛20頭)に転換し、さらに8年後に肉用牛肥育経営に経営転換した。経営主夫妻、息子の3人で、口蹄疫発生前には179頭を飼養していた。平成22年5月に200事例目の発生農場となり、179頭全頭を殺処分。8月27日の終息宣言後、11月から導入を開始し、平成24年9月末には189頭にまで頭数を戻した。さらに、11月には宮崎県肉畜共進会に出品するまでに再建を果たした。経営再建の原動力になったのが、敏子さんが所属している全国畜産縦断いきいきネットワークのメンバー等、仲間による励ましの言葉である。経営再建後は、自らの経験を同ネットワークの平成22年度大会で語り、二度と同じ悲劇を繰り返さないように訴えている。それをもとに三重県の女性畜産経営のネットワーク会員が朗読劇を作って県内の生産者へ伝えるなど、その思いが全国にも語り継がれている。