木村ミルクプラント㈱の木村謹一郎社長
木村ミルクプラント㈱は、福島県いわき市で宅配事業を中心に営業を展開してきた生乳処理・販売事業者である。顧客が浜通り中心であったことから、原発避難等で顧客を喪失。工場自体も被災後3月末までは水道が停止したほか、生乳受入酪農家の避難、生乳出荷停止と難題が相次いだ。当社では復興に向け、旧顧客1件1件へ電話をかけ、また仮設住宅も巡回し、顧客の再獲得に奔走し宅配名簿を再作成した。しかし、風評被害は牛乳を中心に今でも続いている。再起を目指し、かつ、こだわりの高温保持殺菌牛乳(HTLT)の良さを伝えたい想いから、避難中だった技術者を探し雇い入れ、敷地内の倉庫を改造しアイスクリーム製造施設を自社整備し再発売を開始した。アイスクリーム販売再開への思いは、自身の風評からの脱却とともに困窮する地元イチゴ農家を含めた地域活性化を目指してのもので、地域の農畜産業復興へのモデルである。
社屋外観
催事等に積極的に出展し売上回復に努めている
24年11月より販売開始した「命の雫」ブランドのいちごジェラート
使用している地元観光農園のいちご
アイスクリーム製造担当者に楢葉町振興公社に勤務していた従業員を新規採用