大井さんは、平成元年にUターンして酪農経営の後継者となり、経営内で技術的に遅れているところを改善しながら規模拡大を行い、現在は経産牛64頭を飼養する。河川敷草地を積極的に利用し、平成18年には市が占用許可を受けた14haを自力で開墾、草地造成を行った。また近隣酪農家と平成20年には羽島市稲ワラ生産組合を立ち上げ、約70haの水田からワラを収集し、県内外の肥育農家や飼料会社に販売している。また、地元営農組合からの依頼で、稲WCSの生産と利用を開始した。平成24年は約10haに作付けし、稲WCSに調製した全量を大井牧場が購入している。飼料用米の利用も平成23年度から開始した。24年は60tの利用予定で、飼料用米破砕機を購入し、独自で15%をTMRに配合している。牛群検定を積極的に利用し、毎月得られるデータを基に、飼料の給与、繁殖管理を行い、分娩間隔13ヵ月、平均種付け回数1.9回を実践している。稲ワラの販売はもとより耕畜連携のもとで労働配分や地域資源をうまく活用する模範モデルである。