香川豊南農協は、地域循環型農業を展開するため、家畜排せつ物を活用した堆肥の生産拠点および利活用振興拠点として、堆肥センターを中心に活動を展開している。堆肥利用を組み込んだ施肥設計を行うことで、新規参入畜産農家の施設費の軽減と既存耕種農家の土作りという双方に経営メリットのある循環型農業を農協が主導し、新たな農産物産地作りを形成した。酪農経営4戸、肉用牛経営16戸、養豚経営3戸、採卵鶏経営10戸と戸数は少ないが、家畜排せつ物を堆肥センターに年間約6,000t供給し、堆肥センターで堆肥に調製後、耕種農家へ配送・散布を行い、家畜排せつ物の適正な管理と野菜生産にとって欠かせない「土づくり」に寄与している。堆肥は多くの組合員に利用され、ブランド化し、多品目の果樹・野菜が生産されている。耕畜複合経営を行っている生産者を仲間に取り込むことで、畜産耕種両方面から、地域内循環型農業の推進を行っている事例である。