牛を飼育し、牛肉を生産する経営を肉用牛経営といいます。
日本で飼育されている肉牛は、黒毛(くろげ)和種、褐毛(あかげ)和種、日本短角(たんかく)種、無角(むかく)和種の和牛4品種(肉専用種)と、ホルスタイン種に黒毛和種を交配して生産された交雑種(F1)、そして乳用種去勢牛に分けられます。また、搾乳を終えた乳牛も牛肉となります。
日本の牛肉生産量は年間約35万トンで、おおよそ和牛が47%、交雑種が26%、乳牛が24%となっています(令和4年)※1。生産している品種の中では、黒毛和種が最も多く飼われています。
肉用牛経営は、繁殖雌牛を飼い、子牛を生産して販売する繁殖経営と、子牛を購入し育てて肥育牛として出荷する肥育経営に分かれています。肥育経営は、黒毛和種の場合、9~10か月齢の子牛を18~22か月間肥育して出荷します。また繁殖と肥育を一緒に行う経営は一貫経営といいます。
令和5年、日本の繁殖経営は33,800戸で645,200頭の繁殖雌牛が、肥育経営は6,820戸で1,634,900頭の肥育牛が飼われています※2。
この資料では、代表的な和牛品種である黒毛和種を育てている農場での作業を紹介します。
ご自分で肉用牛経営を始めたいとお考えの方、肉用牛の農場で働いてみたい方。このサイトで肉用牛経営を感じて下さい。農場でお待ちしています。
※1 農林水産省「畜産・酪農をめぐる情勢(令和5年10月)」より
※2 農林水産省「畜産統計(令和5年2月1日現在)」より
目次
肉用牛経営は、肥育経営と繁殖経営で作業内容が異なります。それぞれの経営での牛舎内での作業内容をご紹介します。また、肉用牛経営で大事な「牛の餌作り」「ふん尿の処理」についても、写真とともにご紹介します。