一般的な傾向としては、高乳量階層では低乳量階層に対して、概ね経産牛1頭当たりの資本投下額を高め、労働投下量(草地依存型の6,000〜6,500s層や耕地依存型の5,500〜6,000s層のように低乳量階層で格段に低くなっている例外もあるが)を軽減化させた、資本集約的な経営であるといえる。
 乳飼比や所得率は各類型ともばらつきがあり、一定の傾向は読みとれない。
 ところで、図1-4は経産牛1頭当たり経常所得の乳量階層別の比較をみたものである。これによると草地依存型では8,000〜8,500s層をピークとして高乳量層での低下傾向がみられる。しかし他の2類型では9,000s以上層が最大となっており、ばらつきはあるが概ね低乳量階層から高乳量階層へ向かって所得額が高まる傾向にある。経産牛1頭当たりの経常所得が最大となっている階層は、草地依存型では先述の8,000〜8,500s層の25.3万円、耕地依存型では9,000s以上層の34.3万円、流通飼料依存型でも9,000s以上層の17.6万円が最大となっている。


 また、図1-5は家族労働力1人当たりの年間経常所得の乳量階層別比較である。草地依存型では8,000〜8,500s層、耕地依存型では9,000s以上層がそれぞれ最大である。流通飼料依存型では6,000〜6,500s層(5,500〜6,000s層が最大であるが、集計件数が1件のため除外した)が最大であるが、階層間のばらつきが比較的少ない。このようにみると概ね低乳量階層から高乳量階層へ向けて所得額が高まる傾向がみられる。



  

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