杉山憲由さん(肉用牛経営:繁殖牛30頭、F1素牛150頭)は平成15年8月に北海道日高地方を襲った台風10号による集中豪雨により、哺育牛舎に土砂が流れ込む、土砂崩れで道路が塞がるなどの被害があった。一番大きな被害は断水である。当農場は高台にあるため、農場まで水が上がらないため、農場の下の方にタンク(1万ℓ)を置き、町の水道水を貯め、そのタンクから自家ポンプで農場・住宅に水を上げるといった2段構えの方法をとっていた。災害時には、町の水道の配管が破損し、水がタンクまで来なくなったので1,000ℓのポリタンクでトラック輸送。分場では井戸水を使っていたが、災害後は水の流れが変わり、枯れてしまったため町の水道に切り替えた。被災時に困窮したことに鑑み、私道の近くの丘に生えている木を伐採するなどの道路維持、新牛舎を建てた際には牛舎の周りに暗渠を入れて水はけ対策、発電機の購入の検討などを行った。