家の裏手から流れてきた山津波
 平成15年8月に北海道日高地方を襲った台風10号による集中豪雨は山津波を引き起こし、青木良市さん(肉用牛経営:繁殖牛65頭・乳用種肥育牛770頭)の畜舎や農地、家畜に甚大な被害を及ぼした。直接的被害以外にも、停電や断水、道路被災による交通の遮断等、営農や生活への影響も大きかった。施設用地・畜舎に流れ込んだ土砂は最も高く堆積したところで約3m。家畜が土砂に埋まり、F1牛200頭近くが死亡した(5日目に自己保有地に埋却)。水道が壊れ牛用の飲水がなくなったので、知人にポンプと発電機を借りて、被災当日の午後から川の水を汲み上げて牛に飲ませた(水道は1週間で復旧)。草地は5haほど土砂が入り込んだが、翌春までには復旧した。被災時、町に子牛の飲み水確保に給水車を依頼したが、町は人命最優先で、家畜は後回し。自分の家畜への対処は自分で行うことを考えておくこととの教訓を得た。