特別企画

水田基盤を活用した効率的な
粗飼料収穫作業を行っています!
廣 瀬 富 雄

 
 粗飼料生産基盤に立脚した大家畜経営の体質の強化が要請されています。そのためには収量や品質の向上とともに大規模作付けを可能とする作業の省力化を目指していく必要があります。富山県においては、水田を活用した粗飼料の生産が主体ですが、水田転作作物として牧草を導入する場合や稲ワラ回収を行う場合、その圃場が数ヵ所に分散していたり、生産単位が30aと小面積であるため、それらの生産や回収作業が効率的に実施できないなどの問題点が指摘されています。

今回の「あいであ&アイデア」では、

(1) 中古トラクター活用による作業機械の効率的利用
(2) 裁断間隔を広げた稲ワラの回収率向上

 というアイデアで品質の高い粗飼料の安定生産を実践している富山市の村田農場の取り組みを紹介します。

作業機を専用化して作業能率を向上

 村田農場は240頭規模の交雑種主体の肉牛肥育経営で、牧草栽培はイタリアンライグラスを中心とした単播や混播を中心にスーダングラスも部分的に作付けしています(20ha)。

 トラクターは5台保有し、そのうち2台は使用頻度の高い(1)ジャイロテッダと(2)ロールカッタ専用としており、他の3台は(3)ディスクモア、マニュアスプレッダ、ラッピングマシン用、(4)ロータリ、ドライブハロー、レーキ用、(5)ロータリ、ロールベーラ用として利用しています。そのため、牧草収穫時には、ほぼ作業機械が専用化することから、作業性が格段に向上しています。

 
写真−1 回収済みの稲ワラロール


写真−2 ジャイロテッダ専用トラクター


写真−3 ロールカッタ専用のトラクター

トラクター   装着アタッチメント 脱着の難易性 摘  要
(1) 中古導入 ジャイロテッダ(専用) 頻繁に稼働
(2) 中古導入 ロールカッタ(専用) 頻繁に稼働
(3) 中古導入 ディスクモア、マニュアスプレッダ、ラッピングマシン 牧草収穫時:ディスクモア、ラッピングマシン
(4) 新規導入 ロータリ、ハロー、レーキ 牧草収穫期:レーキ
(5) 新規導入 ロータリ、ロールベーラ 牧草収穫期:ロールベーラ

稲ワラは切断長を長めにして効率的に回収

 約20戸の耕種農家と契約して25ha分の稲ワラを年間100t程度回収しています。通常の稲作コンバインカッタでは裁断長は5cm程度ですが、そのまま収穫するとピックアップロスがかなり大きいことから、稲作農家には10〜15cmといくらか長目に裁断してもらっており、そのため回収率も90%以上と非常に高くなっています。併せて稲ワラを肉用牛に給与する際にその裁断が不要であることも利点であり、まさに一石二鳥の回収方法といえます。

 このように村田農場では効率的な粗飼料生産・回収を行うことによって、粗飼料自給率100%を達成しています。

 
写真−4 稲ワラ回収の様子

(著者:富山県農林水産部技術推進課・専門技術員)