超早期母子分離による
黒毛和種繁殖雌牛の繁殖効率改善技術

福 島 護 之

 大規模肉用牛繁殖経営において分娩後数日以内に母子を分離するいわゆる「超早期母子分離」によって子牛を人工ほ育する事例が多く見られるようになってきました。その多くが、子牛の下痢の多発をきっかけにこの技術を導入することになったと聞きますが、超早期母子分離を導入することによって子牛については「手間はかかるが、事故は少なくなった」、「思うような子牛が育てられる」とか「良くなついて管理しやすい」という意見を、また、母牛については「発情回帰が早くなって空胎期間が短くなった」という良好な返答をいただくようになってきました。ただし、超早期母子分離を導入している農家の多くは、酪農から和牛繁殖に転向された方が多く、これまでに子牛の人工ほ育をじゅうぶんに経験された方が多いことも事実です。今後、これまで母牛にほ育を任せてきた和牛繁殖農家において人工ほ育をうまく導入するにはどうしたら良いのかを考えておく必要があります。そこで、和牛繁殖経営において超早期母子分離によって人工ほ乳を行っていく場合の要点を概説すると同時に、当センターで実施した母牛の繁殖性についての試験から得られたいくつかの知見を紹介します。

 超早期母子分離とは?(超早期母子分離の実施法について)

 和牛の世界では母子を同居させて母乳を利用した子牛の飼育を行います。一方、酪農の世界では、母乳が生産物であるために出荷できない初乳以外は全て生産物として出荷するために子牛は母牛から分離されて、代用乳や人工乳を利用して子牛を飼育します。しかし、和牛の世界でも5頭までの少頭数飼育の場合には、母牛と同居していれば正常な発育が確保されていましたが、20頭を越える多頭数飼育になってくると生年月日の異なる子牛を同居させた場合などに子牛の下痢が多発し、後になって生まれてくる子の発育が思わしくなかったり、発情の観察まで手が届かなくなって空胎期間の延長という事例が多くなってきました。そこで、酪農の技術を導入して分娩後の早い時期に母子を分離して飼育すれば、(1)母牛は母牛だけ、子牛は子牛だけのスペースを確保すればよくなり、分娩房のような大きな空間をたくさん確保しなくてもよくなるので、空間的にも効率的な利用ができるのではないか、(2)子牛の付いていない母牛では分娩後の発情回帰が早いことが知られており、それと同じ条件を作ることができると考えられました。また、(3)受精卵移植の産子を人工ほ育した多数の事例報告から、黒毛和種の子牛も乳用種の子牛と同様に人工ほ育できることが知られてきたことで、本技術に取組むこととなりました。

1.子牛について

 今回、当センターで実施した試験では、図−1に示すような超早期母子分離を実施しました。分娩後6日間は、通常と同様に母子を同居させました。これは、初乳をじゅうぶんに飲ませることと、生後10日程度の下痢はほとんど見られないからです。6日目の夕方に母子を分離して1晩子牛に乳を与えずに7日目の朝から代用乳をほ乳します。7日目の朝に代用乳を飲まなくても夕方まで乳を与えないでおくと、ほとんどの子牛は夕方までにほ乳できるようになります。母親の乳を1度飲んだら代用乳を飲まないだろうという質問をよく受けますが、子牛もお腹がすいたら代用乳を飲みますので多くて1日空ければほ乳できるようです。

図−1 超早期母子分離の概要

(1)母子分離の時期

 分娩当日から市販の初乳製剤を与えたり、酪農家の方から分けていただいた凍結初乳を与える場合や、初乳だけ母牛からもらうということで生後1日間同居した後に母子を分離する場合も比較してみましたが、大きな差はありませんでした。ただし、生時体重が20kgを切るような特に小さな子牛の場合には、25kg以上になるまでは母子を同居させたほうが管理しやすいと思われます。

(2)代用乳の量

 代用乳の給与量については、生時体重の2%程度を定量ほ乳することをおすすめしています。生時体重の小さな但馬牛の場合には、1日量を400g(1日2回ほ乳)と考えています。この場合には人工乳の食込みを上手に実施できた場合には良好な発育が得られますが、飼養者が人工ほ育に慣れていない間は1日量を600gとして1日2回ほ乳してやると良好な結果が得られます。

(3)人工乳の給与方法

 人工乳の食込みを上手にするコツとして、子牛には分離した日から人工乳と乾草を少量ずつでも目の前に置いてください。特に、人工乳については食べ物であるという認識がないので、代用乳をほ乳させた後に口の中に人工乳を含ませてください。最初は口から吐き出しますが数日すれば美味しいものだということがわかって自分から食べるようになります。通常の飼育方法ですと母牛や先に生まれた同居子牛が濃厚飼料を食べているのを見ていますので、固形物を食べても良いことを学習しますが、カーフハッチでは先生はいませんから飼養者が教えてあげるわけです。人工乳や乾草などが第1胃に入って初めて子牛の胃の発達が始まるので、早くから給与を始めたいわけです。人工乳の揮発性脂肪酸が胃粘膜を刺激してさらに発達を促進しますし、乾草の刺激が胃の筋層を刺激するわけです。代用乳の様な液体だけですと食道溝を通って第1胃をバイパスしてしまうので第1胃の発達は遅れてしまうのです。最初の2週間は、人工乳をほとんど食べませんが、少しずつ胃の中に入ることが後で大きな食込み量の差になってくるのです。生後7日目から人工乳を与えた場合には、3カ月間で合計100kg近くの人工乳を摂取しますが、7日遅い14日目から与え始めた場合には、合計60kgしか摂取できず、その後の食込みに大きな差が出ました。

写真−1 自作のすのこ板カーフハッチ内でのほ乳風景

 人工乳を食込ませるコツの2つ目は、きれいな水を与えることです。人工乳は固形物ですのでこれを食べるためにはじゅうぶんな量のきれいな水が必要です。水を入れる容器に汚れがないように気を配ることもたいせつです。

写真−2 きれいな水、人工乳と良質の乾草を給与します。

(4)離乳時期(代用乳給与終了の目安)

 個体差がありますが、人工乳を1日700g以上食べるようになると雌雄いずれの場合でも子牛の体重は約50kgになります。そろそろ離乳時期です。代用乳を直ちに切って離乳してやる事も可能ですが、離乳直後には代用乳がもらえないためのストレスや人工乳の食べ過ぎで、数日間一過性の下痢や軟便になることが多くあります。これを回避するには人工乳を1日500g程度食べられるようになった頃から代用乳を1日1回給与にして半量にし、7〜10日目に離乳してやると下痢が緩和されます。

 カーフハッチに50日程度入れておくと蹄が削れずに歩き方の悪い牛が多いように思われますが、群飼を始めて運動をさせるとすぐに通常の子牛になりますので特に心配はないでしょう。

 離乳後に数頭の群飼を始めますが、急に大きな集団にせず、2段階程度で最終的な群にしたほうがよいでしょう。

 最近、ほ乳ロボットを用いてほ乳の時期から群飼する試験を実施していますが、早くから群飼しても子牛のストレスや下痢は少ないようです。また、早くから広い空間で運動できるので体高の発育が良い子牛が多く見られます。

2.母牛について

 母牛については、実施について特に難しいことはありません。

(1)母牛の飼料給与

 飼料については通常分娩前2カ月前から増飼いをしてきますが、分娩後母子を分離した時点からはそれをやめて維持期の飼料を与えてやります。

(2)母牛への人工授精

 発情は、早い牛で母子分離後10日目にあります。ただし、この場合には排卵しなかったり、子宮が分娩後の収縮をじゅうぶんにしておらず粘液も汚れていることが多いので、人工授精を開始するのは30日目以降としたほうがよいでしょう。30日を過ぎた時点で粘液の汚れがなければ、子宮収縮がやや弱くても人工授精を行ってかまいません。

 母子分離を行うと乳房炎にならないかという質問を良く受けますが、筆者らの試験での50頭近い結果ではそのような事例はありませんでした。また、通常離乳すると親子が3日間ほどなきますが、超早期母子分離の場合はあまりなきません。情が移る前に離れることになるようです。

 超早期母子分離のメリットとデメリット

1.子牛

(1)メリット

・下痢の減少

 子牛において最大のメリットは、下痢の減少です。下痢の程度を正常便:0、軟便:1、泥状便:2、水様便:3とし、これに日数をかけて下痢の頻度と程度を加味した数値を日数で割って、1日の平均の下痢スコアとして母子同居と母子分離を比較してみますとそれぞれ0.17と0.05となり、母子分離することで1/3以下になりました(図−2)。この結果、多頭飼育農家では下痢子牛を確認する手間が減少すると同時に治療費が削減できます。

図−2 超早期母子分離後の子牛の下痢発生

・斉一性の向上

 母牛の乳量による差が無くなることから子牛の斉一性が向上します。

・食込める牛ができる

 早くから濃厚飼料、粗飼料の両者を食べ始めるので、胃の発達が良く将来食込みの良い子牛ができます。

(2)デメリット

・代用乳給与のため朝夕に余分の作業が増える

 定時に実施しなければならない作業が増えます。ただし、1頭1頭の子牛をじゅうぶんに観察できるようになるため管理が行届くというメリットもあります。

・代用乳・人工乳に余分の経費がかかる

 通常ですと母乳で育ちますので、目に見えた経費がかかりませんが、購入する乳代がかかります。

・カーフハッチの設置等別のスペースが必要

 舎外又は舎内にカーフハッチを設置するためのスペースが必要となります。

2.母牛

(1)メリット

・分娩間隔の短縮が可能

 当センターでは、通常の分娩間隔(12.5カ月)が11カ月に短縮されました。多頭経営では1年間で1頭余分(約10頭飼育の場合)に確保されるような計算になります。

・母子分離後通常の群飼育を行いやすいので発情観察が容易

 通常の飼育では、子牛が小さい間は群飼育しにくいために単房で発情の観察を行うことになり、見落としがちでしたが、母子分離後、直ちに群飼ができるので発情観察が容易になり、発情の見落としが少なくなります。

・分娩房の使用期間が短いので牛舎構造が単純になり効率よく牛を管理できる

 分娩〜6日で母子分離を行うので分娩房の使用期間がこれまでの2カ月程度から半月程度に短縮でき、その分のスペースを舎内カーフハッチや子牛の育成に使うと効率よく管理できるようになります。

・母牛の飼料給与体系が単純化する

 増飼いの期間が減るので管理が省力化できると同時に母牛の飼料費は減少します。

2.デメリット

 母牛ではほとんどありません。

 母牛の繁殖性に及ぼす栄養水準の影響

 ここでは、超早期母子分離を行った母牛の分娩後の栄養水準(TDN量)がその後の繁殖性に及ぼす影響について検討した試験を紹介します。試験では、超早期母子分離後の飼料給与水準の検討と連産性に及ぼす影響の2点について検討しました。

(1)試験方法

 対照区として6カ月離乳による通常の飼養管理(日本飼養標準・黒毛和種成雌牛維持期の100%)とした10頭を用いました。産歴は、3〜6産で平均4.3産でした。

試験1:超早期母子分離後の飼料給与水準の検討

 試験区では、分娩後6日目に母子を分離しました。母子分離後の飼料給与水準を日本飼養標準による黒毛和種成雌牛維持期のTDN水準に対して80、100および120%とし、各区16頭ずつを配置しました。試験区の産歴は、1〜11産で平均5.5産でした。母牛の受胎までの飼料摂取量、体重、体各部位の測尺値(体高、十字部高、胸深、腰角幅、胸囲および腹囲)の測定を受胎まで1カ月毎に行いました。また、初回排卵(2〜3日毎に直腸検査を実施して検査)、初回発情(スタンディング発情)、初回授精までの日数、授精回数と受胎までの日数を記録しました。給与飼料は、イタリアン乾草、ヘイキューブと繁殖用濃厚飼料の3種類を用いました。

試験2: 超早期母子分離が繁殖雌牛の連産性に及ぼす影響の検討

 試験1で、本試験に供試した17頭の雌牛の連産性を検討しました。検討した項目は試験1と同様としました。

(2)試験結果

試験1: 超早期母子分離後の飼料給与水準の検討

 超早期母子分離後の飼養給与水準が繁殖性に及ぼす影響は表−1に示すとおりで、初回排卵までの日数は、対照区の31.8日に対して、120%区が18.1日で有意(統計的に意味のある差)に早くなりました。80および100%区では19〜19.5日と対照区よりも早くなりましたが有意な差ではありませんでした。初回発情までの日数は、対照区で55.7日であったのに対して、80%区で30.4日、100%区で32日及び120%区で28.4日と有意に短縮しました(P<0.05)。また、空胎期間も対照区の91.8日に対して80%区で48.5日および100%区で50.3日と有意に短縮しました(P<0.05)。120%区においても59.1日と短縮傾向にありました。以上のように分娩後6日目の超早期に母子分離を行うと母牛の発情回帰が早まり、その後の空胎期間も対照区に比較して有意に短縮しました。ただし、80%区では不妊となった個体が2頭みられました。

表−1 超早期母子分離後の母牛の栄養水準が繁殖に及ぼす影響


**
産次 頭数 初回排卵
**
までの日数**
初回発情
までの日数
初回授精
までの日数
授精
回数
空胎
期間
対照区 3.2 10 31.8±6.9bb 55.7±35.3bb 79.1±27.8 1.1 91.8±35.0b
080%区 7.3 14*** 19.5±7.4ab 30.4±11.1ab 40.1±10.1 1.3 48.5±16.1a
100%区 4.9 16 19.0±7.7ab 32.0±14.4ab 41.5±12.4 1.3 50.3±18.3a
120%区 5.3 16 18.1±6.3ab 28.4±13.9ab 43.6±15.5 1.6 59.1±26.0a
a、b 同列異符号間に有意差(P<0.05)
対照区:母子分離を行わない区。80、100、120%区:分娩後受胎確認までの期間、母牛の養分量を日本飼養標準・黒毛和種成雌牛維持期の80〜120%とした区
** 対照区5頭、試験区各10頭を調査した
*** 80%区では発情が停止した不妊牛2頭を除いた

 体重の推移は、表−2に示すとおりでした。80%区が1カ月後から体重の減少傾向が見られましたが大きな変化ではありませんでした。100%区はほぼ同一水準で推移しました。120%区は、やや増加傾向がありましたが、空胎期間が90日以上の3頭では、体重の増加が大きくなりました。体重の変化については、分娩後に飼料給与量を変更するため、体重の差としてあらわれる前に受胎しているということが多かったようです。

表−2 超早期母子分離後の母牛の栄養水準が体重に及ぼす影響

区分 頭数 分離時
体重(kg)
分娩後
1カ月
分娩後
2カ月
分娩後
3カ月
080%区 10 389.7±20.0 375.7±22.9 369.8±9.90  
100%区 11 391.6±31.0 384.4±34.8 391.9±38.7 391.3±32.9
120%区 11 380.0±18.1 382.2±21.6 384.4±23.2 408.7±10.0
80、100、120%区:分娩後に日本飼養標準・黒毛和種成雌牛維持期の80〜120%とした。

試験2:超早期母子分離が繁殖雌牛の連産性に及ぼす影響

 同一個体を用いて13頭で3年間連続して、また、3頭で2年連続して本試験を実施したところ供試年度に関係なく繁殖成績は各供試年度とも良好で空胎期間は51〜55日でした(表−3)。

表−3 超早期母子分離によって連続供試した繁殖雌牛の年度毎の繁殖状況

区分 産次 頭数 初回排卵
までの日数
初回発情
までの日数
初回授精
までの日数
授精
回数
空胎期間
初年度 4.6 17 23.3±10.0 31.4±09.2 40.2±11.8 1.5 54.8±24.1
2年度 5.6 16 17.4±05.7 27.1±17.3 43.1±15.7 1.4 51.2±21.2
3年度 7.7 13 19.6±07.7 32.7±11.5 42.4±10.7 1.3 52.2±15.6
*:初年度の初回排卵までの日数のみ調査頭数 3頭の結果

(3)考察

 以上のように、今回検討した母子分離後の栄養水準については、受胎性や空胎期間を考慮すると維持期の100%とした場合に不受胎もなく、空胎期間が約50日となり11カ月で1産が可能となるということで、最適な栄養水準と考えられました。

 この試験を実施した当初、空胎期間が短縮するのは1回だけだろうという指摘を受けました。そこで、同一の試験牛を用いて連続して超早期母子分離した試験を実施しました。その結果、母牛の繁殖性に大きな問題は無く、さらに空胎期間が継続して短縮するなど、繁殖性が向上して生産性の向上が示されました。試験を実施した初年度は、7〜8月分娩が中心でしたが、4年後には3〜6月分娩が中心になったことからもその効果が理解できます。

 これまでにも死産や子牛が分娩後早期にへい死した場合に母牛の初回発情の早いことが経験的に知られていました。実際に調査してみると、母子同居の従来の管理方法ですと、子宮の回復は早いものの卵巣が静止していますが、母子分離母牛では子宮の回復(収縮)はやや遅れるものの卵巣内の妊娠黄体の退行と卵胞の発育が劇的に進行しました。その結果、母子分離区では18.1〜19.5日に初回排卵、28.4〜32日に初回発情が見られました。授乳刺激の無いことがこのような差になったわけですが、その後の受胎性にも大きな問題が無いことから超早期母子分離による母牛の管理に大きな問題がないことが示されました。

 以上のことから、超早期母子分離が母牛にとって良好な繁殖管理条件の1つであることが示されました。

 まとめ

 和牛繁殖における人工ほ乳、すなわち超早期母子分離は、大規模経営において今後必須の技術になっていくと考えられます。特に、今回紹介したように本技術には多くのメリットがあり、母子両者で発生するデメリットを差引いても必ず経営的なプラスになります。滋賀県、和歌山県、鳥取県と兵庫県で平成8〜10年に実施した『地域重要新技術成果報告書』(平成11年9月)では、子牛の生産費を従来の32万2701円(20頭以上規模)から28万1380円まで低減可能であると試算していますので、規模が大きくなれば、その効果はより大きくなることでしょう。今後は、酪農で普及し始めたほ乳ロボット(自動ほ乳装置)の導入などによって、大規模経営においては、より普及が加速されていくことでしょう。筆者らも昨年の夏からほ乳ロボットを導入して和牛においての普及上の問題点の解明とその解決のための試験を開始しました。

 今回紹介した技術は、全ての繁殖農家に普及できる技術ではありませんが、表−4に示すように農家の経営規模に応じた導入が可能です。例えば、少頭数飼育農家においても乳量の少ない老齢牛や事故牛の産子についても利用できる技術であると思いますし、ほ乳ロボットの導入によって大規模経営においても対応することが出来ます。最終的には飼養者である各経営者が自らの飼養規模や飼養形態が本技術に適用しているかを検討していただいて、適用可能であれば積極的に導入して、繁殖経営を効率的に推進していく一助になれば幸いと考えます。

表−4 超早期母子分離技術の農家規模別導入の留意点

農家規模 導   入   上   の   留   意   点
1〜数頭 泌乳量の少ない母牛や老齢牛の場合に本技術を導入できる。
身近にある柵などで子牛を単離できるようにする。
数頭〜数10頭 連動スタンチョンを導入して母牛を群管理すると効率が上がる。
カーフハッチや子牛の育成牛房を確保する。
全頭を母子分離しないで半数程度を母子分離しても下痢の発生は大きく減少する。
60頭以上 ほ乳ロボットの導入や育成牛舎を確保する。
母牛は連動スタンチョンのある牛舎で群管理する。
受胎確認後に放牧を実施しても良い。

(筆者:兵庫県立北部農業技術センター・畜産部)