3.飼養規模別にみた収益性分析

表2:肉用牛繁殖経営の飼養頭数規模別収益性(平成7年度:平成9年度)
(平成7年度) (平成9年度)

成雌牛頭数模

1〜5

5〜10

10〜15

15〜20

20〜30

30頭以上

1〜5

5〜10

10〜15

15〜20

20〜30

30頭以上

平均飼養頭数

4.6

7.4

12.2

17.8

24.3

47.2

4.4

7.8

12.3

17.8

23.8

40.7

集計戸数

6

30

25

20

18

16

5

30

25

15

14

19

売上高

子牛販売収入

290,050

278,959

269,537

266,869

259,669

238,990

361,428

245,829

310,564

276,109

253,970

262,387

その他収入

14,703

5,980

916

12,702

2,718

9,218

21,029

19,163

5,497

7,821

6,119

9,044

304,753

284,939

270,453

279,571

262,387

248,208

382,457

264,992

316,061

283,930

260,089

271,431

売上原価

期首飼養牛評価額

161,288

86,506

152,960

66,012

96,141

68,194

112,337

95,526

144,148

152,302

86,910

114,095

当期生産費用

種付け料

9,742

10,854

10,292

14,272

12,824

8,653

24,772

14,441

15,573

12,367

10,116

12,540

もと畜費

39,519

39,995

29,253

39,273

22,386

23,202

26,610

26,742

27,889

23,859

32,147

34,105

購入飼料費

75,610

78,171

77,464

59,299

79,027

64,609

103,430

85,733

98,469

85,099

78,483

91,434

自給飼料費

12,790

13,224

9,780

10,304

12,833

9,216

10,358

8,809

7,577

12,440

18,587

10,421

労働費

241,699

192,033

129,942

111,063

89,914

66,951

382,562

190,675

132,833

137,804

109,886

71,021

減価償却費

57,080

56,908

51,329

63,046

65,158

52,375

114,154

44,217

53,075

59,913

46,651

51,100

その他

57,729

32,010

28,249

27,844

29,488

29,026

32,742

32,981

31,303

36,468

25,644

31,015

494,169

423,195

336,309

325,101

311,630

254,032

694,628

403,598

366,719

367,950

321,514

301,636

期中成牛振替額

23,536

59,172

53,035

46,620

56,662

27,513

14,609

25,685

39,463

44,310

32,709

52,241

期末飼養牛評価額

185,753

98,426

140,574

68,173

94,992

80,298

81,517

101,763

147,841

158,493

120,874

114,259

売上原価

446,168

352,102

295,661 276,320 256,117 214,416

710,840

371,676

323,563 317,448 254,841 249,231

売上総利益

-141,415

-67,163

-25,207

3,251

6,271

33,792

-328,382

-106,684

-7,502

-33,518

5,248

22,200

販売費・一般管理費

36,725

30,751

33,071

28,090

29,532

20,886

41,769

28,524

34,216

39,139

33,501

30,279

営業利益

-178,140

-97,914

-58,278

-24,839

-23,261

12,906

-370,151

-135,208

-41,718

-72,657

-28,253

-8,079

営業外収益

33,181

18,771

23,663

16,617

30,788

12,950

24,161

12,120

12,403

14,856

29,423

16,138

営業外費用

26,857

24,835

18,483

14,231

15,772

27,297

54,639

19,662

8,452

20,468

20,085

13,061

経常利益

-171,816

-103,978

-53,098

-22,454

-8,245

-1,441

-400,630

-142,750

-37,768

-78,269

-18,914

-5,002

経常所得

69,883

86,943

76,694

88,476

80,644

65,342

-18,268

47,744

94,531

59,304

90,246

65,701

償還額控除所得

46,373

48,265

32,173

55,129

48,137

32,581

-56,934

32,178

59,486

26,805

-832

37,915

償還額償却費加算額
(注)各集計年度中に期末を迎えた経営診断対象経営の実績。いずれも成雌牛1頭当り。「畜産経営診断全国集計」総合集計結果をもとに作成。

 表2は平成7年度と平成9年度の飼養頭数規模別に成雌牛年間1頭当りの損益状況を示したものである。これによると平成7年度、平成9年度ともに飼養規模の拡大にともない成雌牛1頭当りの「売上高」は減少するものの、飼養規模が大きい方が「売上総利益」「営業利益」「経常利益」といった資本収益を示す指標は増加している。繁殖経営では、資本収益を示す指標に関しては規模の優位性が顕著に現れるが、労働収益を示す「経常所得」では飼養規模の優位性は現れない。このような傾向は、これまでの畜産経営診断対象経営でも確認された傾向であった。その要因は次の通りである。
 成雌牛1頭当りの労働時間は規模が大きくなるに従って減少するため、成雌牛1頭当りの「労働費」も減少する。従って「売上高」から「労働費」込みの「売上原価」を控除して得られる「売上総利益」「営業利益」「経常利益」は、飼養頭数が大きくなるほど「労働費」が減少するために増大する。一方、飼養規模が小さければ成雌牛1頭当りの「労働費」が大きくなるため、「経常利益」が少なくても「経常所得」は増大する。したがって、平成7年度における「経常所得」は規模の大小による格差はほとんど認められず、一方で「経常利益」に関しては規模の拡大にともなって歴然とした格差を示していた。家族労働力を主体とした繁殖経営では、成雌牛頭数規模の大小によって資本収益と労働収益との現れ方に差異をもたらすことが確認できた。
 


  

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