『千屋牛』の地域内一貫生産体制を支えて

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 最後になりますが、当牧場が考える今後の畜産経営は、企業として存続するということが非常に重要です。企業というのは、存続することに価値があるといわれています。そうでなければ、若い世代に引き継ぐことができる安定した魅力のある経営であり続けなければ、若い者もついてこないわけです。
 また、次に環境に優しい経営です。当牧場ではこの点を以前から前面に出して、地域の林地残材、おから等のエコフィード、太陽光というクリーンエネルギー、堆肥に代表される資源の循環型機能の構築に取り組んでいきます。また、放牧による景観保持など、限りのある資源を有効に利用して、引き続き地球環境に優しい経営を今後も目指していきたいと考えています。
 次に、安全でおいしい生命資源の生産に努めたいと思っています。資源の乏しい日本にとって、畜産は非常に貴重な動物性たんぱく質を供給するものであり、少しいいかえると、やはり生命産業です。皆さま方の人類の命を預かっている第1次産業であり、非常に大事な分野ですから、これからもそういった生命産業というものを維持し、続けていきたいと思っています。
 そして、安心への6次産業化です。生産者の顔のみえる商品づくりは一番の安心につながるものと考えています。エンドユーザーの方が、生産者の顔がみえる、こういった信頼関係というものは非常に大事だと思います。その中で6次産業化して、自分たちのつくった商品を自分たちで売っていき、自分たちで価格を決めるといった形の取り組みは、これから非常に大事になってくるのではないかと思います。今、値段を自分で決めて売っているのは、本当にあの100円市場ぐらいです。