雲仙普賢岳噴火災害から 共同で農用地を集積し酪農を再開

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 平成11年度に肥育部門の導入をいたしました。ヌレ子価格が低迷したことから、販売をやめ、肥育部門を開始、これも補助事業を活用させていただきました。堆肥化施設も併設し、現在はF1肥育、受精卵移植による黒毛和種の肥育へと経営を拡大しています。
 なお、肥育部門の導入で所得は拡大し、現在の家畜飼養頭数は、表のとおりです。更新牛は、ほぼすべてが自家育成牛で賄っています。肥育牛飼養頭数は、私が230頭、井村、川田は70頭ずつです。
 3名とも後継者が就農して、労働力として、私は5名、うち雇用が2名、井村、川田は3名、ともに後継者が人工授精師で、後継牛を確保し、黒毛和種の受精卵や性判別精液等も積極的に活用しています。
 堆肥は草地還元するとともに、戻し堆肥として利用し、購入飼料は他の畜産仲間と荷受組合を横断的につくり、多量に取引を契約し、安価に購入することを心がけています。
 仲間、そして行政が復興に支援。避難区域指定とともに、県酪連を初め、多くの県内酪農家の仲間から空き牛舎の紹介、牛の移動などの多くの支援を受けました。再建に向けた事業の実施については、行政、特に農政局、県からの指導が本当にありがたかったです。また、全国の方々からの義援金とともに、酪農家仲間からいただいた励ましが、今の我々の再建に向け、背中を押し、立ち上げさせてくれたものと非常に感謝いたしております。
 このような中での復興・再生のポイントとして、仲間と共同による農地の集積、被災による移転を余儀なくされましたが、4戸が共同で復興計画を作成し、基盤整備の計画段階で土地交換を行い、農地を集積し、事業化を推し進めることで、機械の共同利用をはじめ、多くの経営効率化が図られたと思います。また、酪農経営にとどまらず、5年後には肥育部門を取り入れるなど、新しい発想も生まれることとなり、所得の拡大にもつながりました。
 そのような中で、移転の場合は環境への配慮をし、ふん尿処理施設もセットで共同化により、飼養頭数が集中することとなり、まず、地域環境問題が発生しないよう配慮する必要があります。ふん尿処理施設をしっかり整備し、その地域との再生を図る必要があると思います。熟慮も必要と思いますが、積極的な行動が復興・再生には、必要と確信したところです。