震災を乗り越えた若き牛飼いの道のり

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 災害から復興を果たすためには、まず外部からの支援が必要不可欠です。県内外の方々から生活物資を提供していただき、応援のメッセージもたくさんいただきました。
 また、行政からは肉用牛経営を再開する上で必要となる資金を支援してもらい、生産基盤を建て直すことができました。
 また、地域との連帯も重要です。山古志の住民はふるさとで再び暮らしたいと強く思い、団結して苦難を乗り越えていこうと立ち上がりました。1人では困難なことも仲間で立ち向かう団結力があったからこそ、再び山古志に戻れたのだと思います。そして、復興の原動力となるのは自分のあきらめない心です。必ず復興し、山古志で牛飼いを続けるという強い思いから、さまざまな課題に直面してもあきらめず、前に進み続けることができました。
 経営再建後の早期安定化も大切です。肥育名人と呼ばれるすぐれた技術をもつ生産者の牛舎に研修に行き、生産技術を磨きました。そして、平成23年には先ほど挙げたような目標を達成することができました。ここに来るまでにさまざまな課題、苦労に直面しましたが、全国の方が応援してくれているという大きな力で前を見続けることができました。本当に感謝の一言です。
 私は地震から1年後に結婚し、新婚生活は仮設住宅でしたが、今は3人の子供、両親と山古志で暮らしています。妻は茨城県出身ですが、当時家も仕事も生活もこの先どうなるのかわからないとき、少しでも力になれればと送り出してくれたお父さん、お母さん、仮設住宅にお嫁に出す親の気持ちは相当なものだったと思います。そんな大きな気持ち、そして、妻が心の支えになってくれたこと。人はだれかに思われること、だれかとつながることで強くいられるのだと思います。
 東日本大震災で被災された方々には、日本中が応援し、同じ思いでつながっていると思います。どうかあきらめず一歩でも前へ進んでほしいと願っています。私も復興のあかしとなるよう、日本一の牛飼いを山古志で実現したいと思います。ともに未来をみて頑張りましょう。