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グループ代表の小川増弘氏 |
稲発酵粗飼料の生産・利用技術研究開発グループ (グループ代表:小河 増弘) WCS用イネ品種育成チーム・低コスト栽培技術開発チーム 収穫機械開発チーム・高品質調製技術開発チーム 高泌乳牛給与技術開発チーム・肉用牛給与技術開発チーム 稲発酵粗飼料の総合的生産・利用技術体系の開発 |
飼料自給率の向上を目指して、全国的に稲発酵粗飼料(イネWCS)の生産拡大がすすみつつあるが、これまでイネWCSの生産・利用農家には栽培品種、栽培法、収穫・調製法、 [1]WCS用イネ品種育成チームは、各地域向けにWCS用品種の開発を進め、東北南部以南向きの「クサユタカ」と「夢あおば」、関東以西向きの「ホシアオバ」、「クサホナミ」、「クサホシノ」九州向きの「ニシアオバ」などのWCS用専用品種の開発に成功した。 [2]低コスト栽培技術開発チームは、堆肥活用による飼料イネ栽培技術、直播栽培技術、 [3]収穫機械開発チームは、圃場条件に影響されずに飼料イネを安定して収穫調製するための一連の作業機械の開発とその技術体系を確立した。飼料イネ専用収穫調製機械として、刈り取り・梱包作業を同時に行う飼料イネ用カッティングロールベーラと梱包されたロールベールを圃場内で密封するための自走式ベールラッパを開発し、湿田のような軟弱圃場においても飼料イネを安定して収穫調製することが可能となった。 [4]高品質調製技術開発チームは、乳酸菌が少ないため安定した調製の難しい飼料イネの発酵品質を飛躍的に改善する乳酸菌製剤「畜草1号」の開発と市販化、予乾サイレージの尿素処理やβカロテン低減化技術及び手作り乳酸菌等を開発・考案し、長期安定貯蔵と採食性向上を実現させた。 [5]高秘乳牛給与技術開発チームは、イネWCSの嗜好性の高さを明らかにし、高泌乳牛のTMR飼料として輸入乾草の代わりに混合・利用できる全乳期対応型の給与技術を開発した。 [6]肉用牛給与技術開発チームは、繁殖・肥育牛への給与技術を確立して畜産農家の不安を解消するとともに、肉質改善効果の解明、さらには全期間給与を指向する事例や給与を具体的な販売戦略として位置付ける具体的な事例も生み出した。 [7]一連の成果を「稲発酵粗飼料生産・給与マニュアル」等にまとめ、行政部局と連携しながら、研究活動と並行した技術普及を推進してきた。また、機械や乳酸菌製剤は産・官の連携によって市販化を実現させ、技術定着を図った。 以上のように、畜産分野と耕種分野が一体となった研究を行い、リアルタイムに普及した例として優れた活動であり、その成果は国内に留まらず韓国においても強い関心が示されている。このことからもアジアモンスーン地域全域における地域資源循環型の飼料生産に大きく貢献するものである。 |