農林水産大臣賞・最優秀賞
高い生産性・収益性を生む養豚経営の実践
 鹿児島県大隅町 (有)大隅ポーク(養豚経営)

 (有)大隅ポークは鹿児島県の東部の大隅町に立地している。大隅ポークは昭和52年の養豚団地育成事業で種雌豚40頭の一貫経営を始めたのが養豚の本格的なスタートで、昭和60年に種雌豚130頭になった段階で1戸1法人の有限会社を設立している。現在は西園さん夫婦と長男の3人が構成員となり、これに5人の従業員の計8人の労働力で母豚331頭、年間出荷頭数7687頭、売上げ2.5億円の大型専業養豚である。

 大隅ポークと評価すべき特徴点をあげると・・・、

 第1は分娩回数2.37回と繁殖成績が良く、子豚育成率も95.9%も高い。さらには母豚1頭当たり肉豚販売頭数が23.2頭と高いなど技術成績が良い。これは「省力化できるところは省力化し、豚の管理、観察に時間をかける」という経営方針の成果である。

 第2は記録・記帳を励行し、構成員、従業員と話し合い、改善策を検討し、規模拡大は補助事業と制度資金を活用し、計画的に拡大している。

 第3は平成7年から県外養豚家を含む6人で「味豚グループ」を結成し、スーパーとの契約取り引きを開始し、取り引きサイドからの要望を受けて種豚の品種・系統の選定や飼料配合の改善に役立て、母豚の品質、斉一性の向上に努めている。

 第4は環境保全やふん尿処理に一貫して気を配り、たい肥は地域のお茶や野菜農家約50戸に無償で提供し、地域内の耕畜連携に寄与している。

 第5は後継者である長男が短大を卒業し、イギリスでの留学を終えた後、就農し、人工授精や自家保留の種豚選抜を担当し、先にみた高い繁殖成績に結びついていることも見逃せない。

 第6は以上の技術成績と経営管理の結果、収益性水準も高く総所得6108万円、母豚1頭当たり18.4万円をあげている。生産原価も枝肉1kg当たり322円と畜産会目標を大幅に下回っている。

 大隅ポークは一応の目標規模を達成したので、今後は安全・安心を重視し、より高品質のプライベートブランド肉の生産に努めるとともに、現在の1年契約から長期契約を目指した取り引き先との理解が得られる販売体系を検討したいと考えている。