中小家畜部門 優秀賞・生産局長賞

消費者と環境保全を重視する採卵養鶏
 山梨県敷島町 農業生産法人黒富士農場
(養鶏経営)

黒富士農場は昭和59年塩山市から現在の標高1100mの地に移転し、法人化するとともに羽数を4万羽から10万羽に増やし平成2年には「自然との共生」を社訓にして自然学研究所を設立し、BMWの製造利用をはじめ平飼いを拡大中である。

平成3年には運動場付き平飼い鶏舎3万羽を新築するとともに県から平飼い鶏卵の認証を受け、現在は高床式6割(スーパー出荷)、平飼い4割(生協出荷)となり平飼いにウエイトをかけ、経済追求一辺倒から環境調和型経営を目指した経営に転換中である。

黒富士農場の特徴としては、第一に素晴らしい立地環境を生かした「自然との共生」を社訓に、良質卵の生産に心がけている。その対策として指定配合飼料に独自のサプリメント添加やBMW技術(Bacteria=バクテリア、Mineral=ミネラル、Water=水の頭文字をとった環境技術)による生物活性水等も利用している。

第2にフィリピンでのトウモロコシ生産(40ha)、中国・四川省との交流で有機農法を実践するなど海外との交流にも努めている。

第3に消費者ニーズを踏まえ平飼い鶏を増やし、スーパー、デパートへの直販をはじめ直売等で高卵価326円(原価169円)を実現している。

第4に地域の産業廃棄物の茶殻、鶏ふん等を使ったたい肥を製造し、地元供給を通じて地域循環農業形成に寄与している。

第5に一部加工部門も付加して経営の多角化で収益拡大を追求しようとしていることが、特徴としていえる。