中小家畜部門 優秀賞・生産局長賞


紅葉会代表の平木勇さん

“雲仙うまか豚「紅葉」”小さな養豚集団が成し遂げた地場消費拡大と銘柄定着
 長崎県多良見町 長崎県開拓農業協同組合
南部種豚改良組合「紅葉会」(養豚経営)

紅葉会は平成3年以来、安全を重視した豚肉の生産・販売に力を入れ、地域銘柄の確立によって地場を中心に消費拡大を図ってきた構成員4戸の小さなグループで地元パッカーもメンバーに加え、一般より20円高の枝肉建値で増収を実現している。

現在地元島原半島33店舗の他、長崎市内及び周辺で12店舗で「紅葉」シール貼って販売している。

グループの活動としては第1に飼養技術、生産コスト等の定期的勉強会を開催し組織強化を図っている。第2に会員相互による枝肉評価の研修会で管理技術向上に取り組む。第3に消費者との交流会による経営改善と地場消費の拡大を図っている。第4に種豚の外部導入を極力抑え、防疫と導入費の抑制を行っている。第5に共同出荷による出荷作業の軽減を行っている。

雲仙うまか豚「紅葉」の特長としては、おいしい水と天然アミノ酸配合の和漢生薬を添加した飼料を給与し、軟らかくコクのある味であること、シールを貼る肉はパッカーからカット肉で販売店に1頭単位で販売されていることがあげられる。

4戸のグループ構成員の飼養規模は成雌豚50〜86頭で肥育豚の年間出荷頭数1200〜1700頭の中規模グループで年間所得は560〜1166万円と開きがあるが、これは主として技術水準の違いによる(繁殖成績、出荷日齢、1日当たり増体重等に差がみられる)。

今日発表した平木さんは「紅葉会」の代表で、繁殖豚の飼養頭数はグループ内で最も少ない50頭であるが、繁殖・肥育成績がよく、事故率も少なく、増体成績に優れ、枝肉上物率が高いことを背景に年間所得1166万円、成雌豚1頭当たり23.7万円、所得率28.5%と中規模ながら素晴らしい成績をあげている。

もちろんふん尿処理も適正に行われている。今後は規模拡大より技術改良による経営改善をグループの目標としている。