中小家畜部門 優秀賞・生産局長賞

地元食肉処理センターを
核としたセーフティーポークの安定生産と流通を
システム化した大規模経営

青森県三沢市 (農)三沢農場
山崎 伸さん(養豚経営)

 山崎さんの経営は、1戸1法人である。法人は、農事組合法人の形態をとっているが、現在の法人構成員は家族員である。

 母豚 1200頭の養豚一貫経営で、衛生管理に忠実な飼養を行っている。消費者には、セーフティーポークを前面に出して、食肉処理センター、あるいは食肉加工業者との連携で大規模化してきた典型的な企業的養豚農場だといえる。

 農場のスローガンとして、安定、継続、更には成長を掲げ、ふん尿処理についても的確に行っている。地域が山芋を中心にする野菜地帯であり、たい肥の大半はここに無料で提供することで、地域農業の振興の底支えもしている。

 現在は、常雇12人で飼養管理に当たっており、法人構成員は経営者夫婦と長男である。この分担も、先ほどの畠中さん同様にはっきりしている。長男は獣医師で衛生管理の中心となり、本人が全体の総括を、奥さんが経理に当たるという分担をしている。

 収益はこれだけの大規模経営なので当然大きく、年間所得7549万円、飼料要求率2.53%、100頭当たりの労働時間等もすぐれた成果を残している。

 生産はオールイン・オールアウト方式をとっており、定期的にヘルスチェックを行い、ウインドウレス豚舎を採用している。

 問題点としては、借入金残高が2億6000万円とやや多いが、私どもが検討した結果、山崎さんの経営で元利償還をめぐって資金ショートを起こす問題はないとみている。