大家畜部門 優秀賞・生産局長賞


池田寛さんの代わりに発表する夫人の富美子さん

水田基盤に立脚した
肉用繁殖雌牛100頭規模
経営の確立を目指して

〜夢は、繁殖・肥育一貫経営〜
岡山県津山市 池田 寛さん(肉用牛経営)

 池田さんは、昭和46年の就農時から自ら肉用牛(黒毛和種)を担当し、牛舎の増築、水田の購入等を繰返しながら、着実に規模を拡大して今日に至っている。

 現在は、夫婦と長男の3人の労力に、父親の手助けを受けながら親子3代で、水稲3haのほか、成牛63頭を飼養する大型複合経営と位置付けできる。

 池田さんの経営の特徴を一言でいえば、転作田活用による自給粗飼料(合計2.8haの飼料作)を基本に、育種価の高い雌牛群をそろえ、分娩看護を周到に行い、地域平均子牛販売価格の約20%増の高い子牛を生産している。

 特に分娩後の子牛は、早期離乳後カーフハッチで哺育を行うことで、子牛の事故率がゼロというすばらしい成績を残している。これも飼養管理のたまものだと評価できる。借入金残高もわずか 218万円で、非常に堅実な経営である。

 問題点は特にないが、あえていえば子牛の販売価格が常に市場での高い評価を受けて、地域の2割増しである反面、生産原価をみると1頭当たり32万円かかっており、全体の収益性の足を引張っている点が指摘できる。