大家畜部門 優秀賞・生産局長賞

地域と共に歩む酪農経営
鳥取県大栄町 山下芳明さん(酪農経営)

 大栄スイカで有名な大栄町は、野菜に加えて果樹の盛んなところで、山下さんは、この地で昭和35年に酪農を始め、最初は酪農と肥育の複合経営であったが、平成3年から酪農専業に切りかえている。

 この地帯は、認定農業者が県下一多いという非常に農業が盛んなところである。いい換えれば、飼料作をめぐって土地利用競合が非常に厳しいところである。

 この地域にあって、水田裏作と転作のブロックローテーションによる転作田を活用して、1頭当たり10aの粗飼料を確保することを目標に、自ら地域の転作組合長をひきうけ、ふん尿の土地還元を視野に入れて、低コスト、循環型の農業を行っている。

 現在は夫婦と長男の3人の労力で、飼料基盤 6.6ha、経産牛47頭、育成牛21頭を飼養している。

 平均乳量は1頭当たり 8681sを搾り、経産牛1頭当たり年間所得は 30万円の成果をあげている。

 あえて問題点を指摘すれば、飼育労働時間が経産牛1頭当たり 140時間とちょっと長いのではないか。それから1s当たりの生産原価が71円で、他の経営に比べ若干高い気がする。