当該経営(母豚150頭の一貫経営)は、東日本大震災の震源地に近い地域にある。直接的被害は肥育舎の鉄柵の溶接が全て破断、離乳舎のふん尿タンクにも受けた。ファーム内にはバイオガスプラント(中温メタン発酵)が設置されているが、配管が破損していたため緊急停止した。震災以降、まる2日間は電気が使えなかったが、300ボルト3相交流発電可能なディーゼル発電機を所有していたことから、2日後に地元の電気工事会社に配線してもらい、自動給餌ラインも稼働に至った。地域内のガソリンスタンド、近所の酪農家にもこの発電機を貸し出し、近隣の住民も携帯の充電に訪れた。高性能な発電機を持っていたことが、ガソリンスタンドや酪農家等、地域内の共助につながった。このように、畜産経営が「地域のエネルギー基地」というような位置づけになれれば地域との絆を強化できる。そのために「バイオガスプラント」も有効と考えられる。