農場長の塩野谷孝二氏
 ㈲レークヒル牧場は、昭和44年に現経営者の義父(3代目)が札幌市近郊現在の洞爺湖町に移転した。昭和51年に法人化し、平成11年からは放牧の取り組みを開始。自給粗飼料および放牧草の高品質生産とともに、放牧適性のある牛群の造成により、これまでの放牧酪農ではみられない高泌乳を達成しつつ(経産牛1頭当たり年間産乳量8,500kg)、濃厚飼料費の節減を実現している(乳飼比26.4%)。乳製品の加工・販売の取り組みは、平成3年に牧場敷地内にアイスクリーム施設を整備し、翌年から製造・販売を開始。店舗にはレストランも併設している。平成12年の有珠山噴火では、若干の降灰被害ほか、温泉地の避難や観光客の減少、さらには敷設国道の変更(立地条件の変化)に伴う観光客の減少を受けたがそれを乗り越えた。現在は年間多くの研修生を受け入れている。さらに、酪農教育ファームや乳製品販売などを通じて地域や消費者との結びつきも強い経営といえる。