高橋哲也さん(酪農経営)は平成15年8月に北海道日高地方を襲った台風10号による集中豪雨に起因する河川氾濫により、停電や断水、道路被災による交通の遮断等により営農や生活への影響を大きく受けた。農場・住宅の洪水被害はなかったが道路の寸断により外部との行き来ができなくなった。このため集乳車が来られず、1日分の生乳は廃棄。15haの草地に土砂が流入したが、災害復旧の事業で土砂を除去して、翌年には蒔き直した。3日間停電したが、保有していた発電機で対応。しかし、発電能力の関係で、バルク、ミルカー、バーンクリーナーを同時に動かすことができず、1種類しか動かせなかった。そのため、順番に動かしたが、バルクを満杯にすると冷却に時間がかかるため、半分の頭数ずつ搾乳し、冷却するという方法をとった。今後、使用機器の消費電力量に見合った発電機の整備、環境に負荷をかけない生乳の廃棄方法の検討が必要と考えている。