佐野貴治さん(酪農経営)は、平成18年10月7〜9日にかけての低気圧の影響に伴う記録的な豪雨による河川の増水により、施設と農地が冠水した。また、停電や断水、このほか道路被災による交通の遮断等、営農や生活への影響も大きかったが、被害を少しでも和らげるため臨機応変に対処し、近隣農家や地域の支援もあり速やかな復旧を果たすことができた。搾乳が2日間できなかったため、ほとんどの搾乳牛が乳房炎になり、治療に半年ほどかかったが、この乳房炎が原因で淘汰した牛はほとんどいなかった。乾乳舎・育成舎が浸水し、搾乳牛舎も浸水したので、牛は牛舎の水が引いてから、掃除、消毒が終わるまでの1週間ほど近所の農家に避難させた。浸水したスタックサイロの牧草の半分は廃棄し、半分は給与できた。ロールは、水に浸かっていない部分を使用した。冠水したデントコーン畑は、流入したに土砂を春に除去した後、播種してデントコーンを作付けた。