経産牛1頭当たり経常所得は、記載している昭和62年度から常に北海道を都府県が上回ってきたが(平成5年度のみは逆転した)、平成9年度にはその格差が著しく縮小している。9年度の所得率をみると、北海道が23.1%、都府県が19.4%となり、都府県の所得率低下が著しいことを物語っている。
 図1-1および表1-5によると、経産牛1頭当たりの産乳量は、北海道、都府県ともに平成4年度に7,000s台の水準を突破し、平成9年度には北海道が7,701s、都府県が7,822sとなっている。
 農林水産省の統計によると、経産牛1頭当りの産乳量は平成9年度の全国平均が7,206s、北海道が7,308s、都府県が7,135sである。この産乳量水準からみると今回の集計農家は平成9年度時点で、北海道で393s(5.4%高)、都府県で687s(9.6%高)平均を上回っている。都府県で特に顕著といえるが、相対的に生産性の高い農家が集計対象になっていると理解される。
 乳脂率も概ね着実に向上しているといえる。北海道では平成8年度から3.9%台に達し、9年度は3.94%を示している。都府県でも7年度から3.8%台に乗り、9年度は3.82%を示している。この間、表1-6にみるように経産牛1頭当たりの飼養管理労働時間も、概ね着実に減少の傾向を示している。平成9年度には、北海道が115時間、都府県が144時間となっている。


  

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