主な仕事内容

 牛の発情を見つけた農家からの連絡を受けて牧場を訪問し、発情適期と判断したら、精液注入器を使って精液を母牛の子宮に注入します。定期的な繁殖検診により子宮や卵巣の状態をチェックし、獣医師と連携しながら栄養管理や繁殖管理も行います。「いい発情」を起こし、妊娠のお手伝いをすることが家畜人工授精師の役割です。また、家畜受精卵移植師は、受精卵の移植を行います。酪農において繁殖は経営に最も影響を及ぼすので、牛を飼う農家の重要なパートナーといえる仕事です。

関連資格など

家畜人工授精師家畜受精卵移植師

仕事のフェーズ

1日の流れ(例)

この仕事の魅力

 牛の子宮や卵巣の位置や状態は個体差があり、1頭たりとも同じではないので、毎日が勉強です。新しい知識を得続ける努力が必要とされますが、学ぶことが尽きないという点は、この仕事のおもしろさでもあります。また、農家の要望に合わせて注入する精液を選択し、牛の妊娠が確認できた時、求める性質の牛を産ませることができた時などは、役目を果たすことができた達成感や、やりがいを味わうことができます。

どうすればなれる?

 家畜人工授精師の免許を取得するには、農林水産大臣が指定する大学等、または都道府県が行う講習会を受講し、修業試験に合格する必要があります。家畜の種類別に講習が行われ、その種類に関してのみ取り扱うことが許されます。  家畜受精卵移植師になるには、家畜人工授精師の資格を有する者が、家畜受精卵移植師に関する講習会を受講し、修業試験に合格する必要があります。

従事者のコメント

 牛は1頭1頭違いますし、新しい技術もどんどん登場するので、アンテナを高くし、いろいろなことを吸収していくことが大切です。さらに、農家さんに信頼される存在になるため、健康管理にも気を遣っています。牛飼いは休めない仕事なので、風邪などの病気を持っていったら農家さんに迷惑をかけてしまいます。また、直腸検査は感覚に頼る部分が大きく、体調不良の時は感覚が鈍るので、仕事の精度を高めるためにも就業時間と余暇時間のバランスを取るよう工夫しています。毎日、車に凍結精液を保存した液体窒素タンクを積み込み、何軒もの農家を回るので、安全運転にも心がけています。

関連動画

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畜産に関わる仕事は色々あります。 この動画では家畜人工授精師・家畜受精卵移植師のお仕事を紹介いたします。

一般社団法人 日本家畜人工授精師協会ホームページ
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