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指導支援部門・優秀賞


  愛知県高浜市
吉浜養鶏農業協同組合
(代表 鈴木 勝彦)
協同の力で伝統ある産地のさらなる発展をめざして
−たまごの里 吉浜養鶏農業協同組合−

  吉浜養鶏農業協同組合は、衣浦湾に面した矢作川下流部の平坦部に位置し、愛知県内の約10%にあたる33戸の組合員を擁している。平成2年頃までは組合の中に「最寄(もより)」が11カ所に点在し、それぞれ飼料の仕入れや鶏卵の集荷・販売等を共同で行う機能を持ち、これらが集まって吉浜養鶏農協を構成していた。しかし、組合員の減少が進むにつれ事業の取り組みに格差が生じ、「受益は平等に」といった組合組織の運営に不平不満が生まれた。そこで「組合組織運営の合理化と活性化を図ることが組合としての利潤を拡大、ひいては組合員の経営安定につながる。」として平成3年から5年にかけて組織の再編に着手した。
(1) 地域に点在していた「最寄」を統合し、分散していた事業を集約拡大化するとともに、組合長以下理事全員を実務中心に改め、中核的な40歳代の若手リーダーに刷新して、組織運営の合理化と活性化を図った。このことによつて組合員相互の絆を強めることにつながり、自ずとそこに「信頼と協力」を生み出した。
(2) これまでの鶏卵、食鳥に続いて飼料事業まで行うことにより、組合としてのインテグレーションを確立し、自家飼料を使用することによる安全で均一なブランド卵「吉浜ヨッチャンたまご」の生産に成功し、周辺量販店を通して消費者に密着した有利な販売を展開している。事業の取り組みも部制に改め、これまでの鶏卵部、食鳥部の他に飼料部、環境対策部を加えて、それぞれ担当理事をリーダーとして組合員の一部も加わり、部独自で運営、決算させることによって責任感とやる気を持たせた。このことは組合としての利潤拡大につながり、ひいては組合員個々への指導支援が的確に取り組める結果となつている。
(3) 飼料の供給は大口はバルク車、小口は20s袋で供給、鶏卵の購買は経営努力が反映できる仕組みとして規格別の卵価に改定、また老鶏の更新は組合でスケジュールを組んで集荷、処理する等、組合員が抱えている問題は組合で事業化することで解決し、流通条件に制約がかかる中小規模の組合員の経営意欲を増進させ、経営離脱による組合員の減少にも歯止めをかけることにつながっている。
(4) 鶏病・環境対策部を新設し、定点的に設けた8戸のモニター農家の抗体検査結果に基づいた鶏病対策を徹底し、地域は一農場とした防疫の考え方を浸透させた。

 
吉浜養鶏農業協同組合
設立50年以上となった吉浜養鶏農協は愛知県の養鶏振興に大きな役割を担ってきた。
  吉浜養鶏農協管内の養鶏場風景
管内の養鶏経営の規模は大きくないが、協同の力で経営を安定させている。
     
 
GPセンター
一元的に集荷・販売することで、販売先の拡大による有利販売と経費削減を達成し、組合員の利益は拡大した。
  鶏肉製品の開発による高付加価値化
成鶏の処理を行うとともに、スープ素材を開発し、付加価値化を実現。